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アナボリック・レジスタンスとは? ― 高齢者に起こる“筋肉の反応性の低下”

年齢を重ねると、若いころと同じように食事をしても筋肉がつきにくい、運動をしても成果が出にくいと感じる方が多いのではないでしょうか。

この背景にあるのが、「アナボリック・レジスタンス(同化抵抗性)」という現象です。

 

筋肉は常に「合成」と「分解」を繰り返している

筋肉は一見すると変わらないように見えますが、実際には、新しい筋肉を作る「合成」と、古い筋肉を壊す「分解」を繰り返しています。このバランスが保たれている限り、筋肉量は維持されます。

若い人の場合、運動や食事(特にタンパク質やアミノ酸)といった“刺激”を受けると、筋肉の合成は大きく高まり、分解をしっかり上回ります。その結果、筋肉は維持・増加します。

 

高齢者では「筋肉の反応」が鈍くなる

ところが高齢者になると、事情が変わります。

同じように運動をしたりタンパク質をとったりしても、その刺激に対する筋肉の合成(MPS)の上昇幅が小さくなるのです。

これを「アナボリック・レジスタンス」と呼びます。

筋肉の分解(MPB)は若い人とほとんど変わらないのに、合成が弱い分だけ差し引きで筋肉が減りやすくなります。

これが、年齢とともに筋肉が減少していく大きな理由の一つと考えられています。

 

研究からわかったこと

Breen, L., & Phillips, S.M. (2011). Skeletal muscle protein metabolism in the elderly: Interventions to counteract the “anabolic resistance” of ageing. Nutrition & Metabolism, 8:68. doi:10.1186/1743-7075-8-68の文献では、具体的に次のような知見が紹介されています。

  • 若年者では、5g程度のタンパク質を摂取すれば、筋タンパク合成が刺激されるのに対して、高齢者では同じ量では反応が弱く、15g以上のタンパク質が必要になる。特にロイシンを多く含むタンパク質(ホエイプロテインなど)が有効のようです。

  • レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は、アナボリック・レジスタンスを打ち破る強力な刺激となります。

  • 運動とタンパク質摂取を組み合わせることで、筋肉の合成反応をさらに高めることができる。といったことでした。

  •  
  • 筋肉を守るためにできること

    高齢者の筋肉を守るには、次のような工夫が勧められています。

    1. ① 1回の食事で20g程度のタンパク質をとる

    2. ② ロイシンを多く含む食品(乳製品、肉、魚、大豆など)を意識する

    3. ③ 定期的にレジスタンストレーニングを行う

    4. ラテイクはその点、関節に優しいレジスタンス運動が安全にできるので、おすすめです。

    5.  
    6. まとめ

      • 高齢者では、食事や運動に対する筋肉の合成反応が鈍くなる=「アナボリック・レジスタンス」

      • 分解は変わらないため、筋肉は徐々に減少していきます。

      • しかし、十分なタンパク質摂取と筋力トレーニングによって、筋肉は何歳からでも応えてくれます。

      アナボリック・レジスタンスを理解し、正しい工夫を取り入れることで、加齢による筋肉減少を防ぎ、いつまでも元気に動ける体を保っていきましょう!!

2025年08月18日
帯状疱疹ワクチンに続く衝撃!RSウイルスワクチンで認知症発症を遅らせる?

みなさん、こんにちは!

以前、帯状疱疹ワクチン(Shingrix)が認知症リスクを下げるかも…とご紹介しましたが、なんとRSウイルス(RSV)ワクチン「Arexvy(アレックスビー)」でも同様の効果が確認されつつあります。実はこのワクチンはどちらも同じAS01アジュバントを使ったワクチンで。このアジュバントが影響しているのかもしれません。

今回はその最新研究とメカニズムについて、解説します。

今回参照にしたのは、

Taquet, M., Todd, J. A., Harrison, P. J. 他. “Lower risk of dementia with AS01‑adjuvanted vaccination against shingles and respiratory syncytial virus infections.” npj Vaccines 10:130 (2025). DOI:10.1038/s41541-025-01172-3の論文からです。

 

「Arexvy(アレックスビー)」って何?

  • RSウイルス(RSV):乳幼児や高齢者の肺炎の原因になりやすいウイルスです。ご存じですか?よく、冬に子供にかかって肺炎を起こすことで有名なのですが、実は高齢者や糖尿病を持つ方も肺炎になりやすいんです。
  • Arexvy:GSK社が2023年に承認した、60歳以上の高齢者向けRSVワクチンです重症化を防ぎます。まあまあお値段高いです。
  •  

研究のポイント:TriNetXで18か月を追跡

イギリス・オックスフォード大学チームが、アメリカの電子カルテ(TriNetX)から120万人分以上のデータを活用。以下の3つのグループを、それぞれインフルエンザワクチン接種者と傾向スコアマッチング※して18か月追跡しました。

  1. RSVワクチンのみ接種群(35,938名)
  2. 帯状疱疹ワクチンのみ接種群(103,798名)
  3. 両ワクチン接種群(78,658名)

※年齢・性別・既往歴など66項目でマッチング

 

認知症に関する結果は?どれくらいリスクが下がるの?

  • RSVワクチンだけ:認知症リスク29%減、診断されるまで平均87日長く
  • 帯状疱疹ワクチンだけ:リスク18%減、平均53日延長
  • 両方接種:リスク37%減、平均113日延長

※ここで使われた「RMTL」は「観察期間内に認知症と診断されずに過ごせた日数」の平均を示します 。

 

なぜワクチンが認知症に効くの?アジュバントの“おまけ”効果

AS01アジュバントは、MPL(モノホスホリル脂質A) とQS‑21(植物由来サポニン)があります。それぞれ効果が免疫細胞のTLR4を刺激やマクロファージや樹状細胞を活性化などがありますが、ややこしいので省きます。

この2つが、脳の老廃物(βアミロイドなど)をお掃除するシグナル(サイトカインのIFN‑γ)を生み出すと考えられています。マウス実験でも異常タンパクが減ったという報告があるようです。

値段が高価なワクチンのため、打つか打たないかは別として、こんなこともあるんだなぁと思っています。

 

最も簡単にできる認知症予防は、「運動!!!!!!!」です。

認知症予防の“もう一つの鍵”

実は、定期的な運動にも認知症リスクを減らす力があります。メタ解析では、運動を行う人は行わない人に比べて認知症リスクが約28%低下すると報告などがあるんです。

特に夏場は暑さで外出がおっくうになりがち。

家でじっとしておくのは、いろんな影響があり、いろんな意味で要注意です(家に夫婦2人でいるとギクシャクします。(これは、論文データではなく、私の個人の感想です・・・。))

夏場の運動不足にはLa TAKEを活用しよう!

La TAKEでは、トレーナーがあなたの体力やご希望に合わせた安全で楽しいトレーニングプログラムをご用意。

暑い夏こそ、涼しいジムでしっかり動いて認知症予防を始めませんか?

「過去は変えられない、未来は変えられる。」なんかのCMっぽい。
気になる方はぜひLa TAKEまでお問い合わせください!

2025年07月25日
夏バテって何?

「博多は、山笠の追い山が終わると夏本番です。」

昔からよく聴いてましたが、今年は、夏本番、追い山の2−3週間前から来てます!!!

さて、患者さんでも、もうすでに「夏バテ」の方が・・・。仕方ない暑さですもんね。そんな夏バテについて調べてみました。

 

夏バテの定義: 医学的に明確な診断名はありませんが、夏場の高温多湿に体が適応しきれず生じる様々な不調の総称です。

具体的には倦怠感食欲不振睡眠の質の低下頭痛・めまい胃腸の不調(胃もたれ・下痢・便秘)などが主な症状として挙げられます。

なんで暑くなるとこうなるんでしょうね?

今回はこちらを参考にしました。過酷な環境で働く軍人さんたちへの応用であったりを書いてある文章です。

Institute of Medicine. Nutritional Needs in Hot Environments: Applications for Military Personnel in Field Operations. Washington, DC: National Academies Press; 1993. Chapter 10. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK236229/

わかりやすく、まとめてみました。

 

  • 1.食欲低下は生理的適応反応。

    高温環境下では、食事によって生じる“食事誘発性熱産生”が体内の熱負荷をさらに増大させるため、身体は摂取カロリーを自然に減らし、食欲を抑制すると説明されています。この反応は、過剰な熱産生を防ぎ、体温維持を助ける合理的なメカニズムと考えられています 。だからって食べないで良いとは言いません。

  •  
  • 2.設定体重(セットポイント)の一時的引き下げ

    夏太りする人もいるとは思いますが・・・・、暑い季節には、断熱効果を低減させるために体脂肪量を減らし、より効率的に熱放散を行えるよう、「望ましい体重(セットポイント)」を身体が一時的に引き下げる可能性が提唱されています。この適応が長期化すると、体重減少やエネルギー不足による健康リスクを招く恐れがあるとされています 。

  •  
  • 3.長期的な体重減少の影響

    暑熱による食欲不振で体重が減少した場合、動物実験やヒト試験で報告されている「情緒不安定(いらいらしやすい)」「注意散漫」「性機能低下」といった症状が生じる可能性があります。

  • 慢性的な栄養不足は倦怠感や免疫力低下を招き、結果として「夏バテ」症状をさらに悪化させるリスクがるようです。

  • 事実、疲労感が抜けないと言われる患者さんも多くいます。

 

夏バテも、体の反応とはいえ、予防していかないと大変ですね。

 

夏季の栄養管理ポイント

  • 少量ずつ回数多く摂る: 消化に優しい軽食を1回あたり少なめに、回数を増やして摂取する。

  • エネルギー代謝を助ける栄養素: ビタミンB群(豚肉、レバー、玄米など)、クエン酸(酢の物、レモンなど)を意識的に取り入れる。

  • 水分+塩分・ミネラル補給: 水だけでなく塩分やカリウムも含む経口補水液や味噌汁、梅干しなどを活用する。

これらの工夫により、暑い環境でも必要な栄養素を確保しつつ、過剰な熱産生を抑制できます 。

 

夏季の運動のポイント

最近の環境変化で、この時期の外を歩いたり、走るのは朝や夕の涼しい時間帯しか難しくなってきましたね。

できればエアコンの効いた環境で、運動してください。大きなショッピングモールを歩き回ってでも、天神の地下街を歩き回るでも良いです。

また、自宅やジムで運動して、無理に高強度の運動を続けず、適度に休息を取りながらしてください。

「春と秋が短くなり、冬は寒くて、夏は暑くて、いつ運動するんですか?」と言われることがあります。「今でしょっ!」、ではなく、「家でしょ!!」、「ジムでしょ!!」

クリニックプロデュースの 百道浜にある、「La TAKE」もよろしくお願いいたします。

2025年07月15日
ニュースレター「うぇるび」創刊のご案内

たけのしたクリニックでは、地域の皆さまに向けて、毎月の健康情報やクリニックの取り組みをお届けするニュースレター

『うぇるび』を創刊いたします。

名前の由来は “Well Being” になぞらえ、「クリニックと地域のウェルビーイングをつなぐ架け橋に」という想いを込めました。

クリニックの受付とLaTAKEの受付においております。

お手にとってお楽しみください。

 

7月号の内容ダイジェスト

  1. 巻頭:熱中症について

  2.  
  3. 裏面
  4. 管理栄養士からのTips:スポーツドリンクの違い

  5. La TAKEからのコラム:暑熱順化とは

2025年07月04日
アイスコーヒーの美味しい入れ方と試飲会

【お知らせ】La・TAKE×LITA&COFFEE コラボイベント 「アイスコーヒーの美味しい入れ方と試飲会」開催!

 

暑い季節にぴったりの、ひんやり&リフレッシュタイムを楽しむコーヒーイベントを開催します!!!!!

筋力トレーニングジム「La・TAKE」と、障害者支援施設で丁寧に手選別した豆を扱う「LITA&COFFEE」がタッグを組み、焙煎士こだわりのアイスコーヒーを存分に味わいながら、自宅にあるドリップパックでできる美味しい入れ方をレクチャーします。

LaTAKE 非会員の方も大歓迎ですので、ご家族やお友達とお気軽にご参加ください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 


イベント概要(約90分)

  • 日時:7月26日(土)14:30〜16:00

  • 場所:La・TAKE(早良区百道浜4丁目1−1 101)

  • 定員:15名

  • 参加費:500円(当日支払)

  • 持ち物:ご自宅でお使いのドリップパック

  •  

プログラム内容

  1. 世界のアイスコーヒー事情

    • 各国で親しまれるアイスコーヒーのスタイルや歴史をご紹介します。

  2. 美味しいアイスコーヒーの入れ方

    • 焙煎士が教える、氷とコーヒーの黄金比や抽出テクニックを実演。

  3. ドリップパックでアイスコーヒーを淹れる方法

    • ご自宅にあるドリップパックを使った手軽で美味しい淹れ方をレクチャーし、その場で試飲します。

    •  

LITA&COFFEEについて

西区豊浜の障害者支援施設で、一粒一粒を丁寧に手選別した安全・安心のコーヒー豆を使用。

地域とともに“世界を優しくする”ことを目指しています。

 


ご参加には事前予約が必要です。

☎090-1368-5564

2025年06月27日
DHAは体に悪い? 心血管疾患リスクとオメガ3脂肪酸に関する最新知見

「体に良い油」として知られるオメガ3脂肪酸は最近ご存じの方も多いでしょう。

その代表格であるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、中性脂肪を下げる薬としても存在し、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患(CVD)のリスクを低減する効果が期待されてきました。

しかし、近年の大規模な臨床研究により、この二つのオメガ3脂肪酸が、心血管疾患の予防効果という点において、全く異なる働きをする可能性が明らかになってきました。

本日は、この分野の研究結果の論文を比べてみます。

 

光と影を分けた、二つの大規模臨床試験

 

出典:Bhatt DL et al. Cardiovascular Risk Reduction with Icosapent Ethyl for Hypertriglyceridemia. N Engl J Med. 2019;380(1):11–22.

【光】REDUCE-IT試験:EPA単独療法の成功

2019年に発表された「REDUCE-IT」試験は、医学界に大きな衝撃を与えました。この研究では、心血管疾患のリスクが高い患者さん(すでにスタチンという薬を服用中)を対象に、高純度のEPAのみを含む製剤(イコサペント酸エチル)を1日4g投与しました。

その結果、EPAを服用したグループは、偽薬(プラセボ)を服用したグループに比べて、心筋梗塞や脳卒中などの主要な心血管イベントの発生リスクが25%も有意に減少しました。これは極めて大きな効果であり、この結果に基づき、米国糖尿病学会(ADA)や米国臨床内分泌学会(AACE)などの主要な国際学会は、特定の高リスク患者さんに対する高純度EPA製剤の使用を推奨するようになりました。

 

出典:Nicholls SJ et al. Effect of High-Dose Omega-3 Fatty Acids vs Corn Oil on Major Adverse Cardiovascular Events (STRENGTH Trial). JAMA. 2020;324(22):2268–2280.

【影】STRENGTH試験:EPA・DHA合剤の挑戦と期待外れの結果

REDUCE-IT試験の成功を受け、次に注目されたのが「STRENGTH」試験です。この研究では、EPAとDHAの両方を含む合剤を用いて、同様の患者さんで心血管イベントの抑制効果が検証されました。

しかし、結果は期待されたものとは異なりました。EPA・DHA合剤は、偽薬(プラセボ)と比較して、心血管イベントのリスクを全く減らすことができず、有効性が見られないとして試験は早期に中止されました。

 

なぜ結果は分かれたのか? 科学的考察

  1. ① DHAによる「干渉」の可能性

    • LDL-C上昇作用:DHA単独あるいはEPA+DHA併用製剤では、DHAがLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を上昇させる作用が報告されています。一方、純粋EPA製剤にはこの作用が認められません。

    • 細胞膜構造への影響:EPAは細胞膜を安定化させる一方、DHAは膜流動性を高めるなど、相反する生理作用が示唆されており、これらの相互作用が臨床効果の差を生んだ可能性があります。

  2. ② プラセボ(偽薬)の違い

    • REDUCE-ITのプラセボ:ミネラルオイル:後年、このミネラルオイルが炎症マーカー上昇などをもたらし、対照群のリスクがわずかに悪化した可能性が指摘されています。

    • STRENGTHのプラセボ:コーン油:比較的中立的なコーン油を用いたSTRENGTHの結果は、より「真の」差を反映しているとの見方があります。

この二つの論点は現在も活発に議論されており、結論を出すにはさらに検証が必要です。

 

現時点でのコンセンサスと当院の考え

  1. 心血管疾患再発予防には、純粋EPA製剤(イコサペント酸エチル)が有効な選択肢であるとのエビデンスが強固です。

  2. DHA=体に悪いというわけではなく、脳・神経・網膜機能の維持、発育期の児童への必要性など、一般的健康維持には不可欠な栄養素です。

  3. 当院では、心血管リスクの高い患者様には純粋EPA製剤の導入をご検討いただく一方、バランスの良い食事からのEPA・DHA摂取(魚介類やナッツ類)も並行して推奨します。

  4.  
  5. 最後に、最適な健康管理のためには、ご自身の健康状態やリスクに応じた治療や栄養摂取を選択することが何より大切です。

  6. 当院には管理栄養士3名おりますので、栄養のこと気になる方はご相談ください。

 

2025年06月27日
帯状疱疹ワクチンで認知症予防!?

最新の研究でわかった「思いがけない予防効果」とは

こんにちは。

今回はちょっと意外な、でも 注目されている研究をご紹介します。

「帯状疱疹のワクチンが、認知症の予防になるかもしれない」

こんなことを聞いたら、「えっ、本当?」と驚く方も多いのではないでしょうか。でも、実際に世界的な医学雑誌『Nature(ネイチャー)』や『JAMA(ジャマ)』などに掲載された研究で、そうした可能性が本気で議論されているんです。

 

そもそも、帯状疱疹ってなに?

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、子どものころにかかった「水ぼうそう」のウイルスが、大人になってから体の中で再び活動を始めて起こる病気です。

ピリピリとした痛みや赤いブツブツが皮ふに出て、痛みが長引くこともあります。特に50歳以上で多くなります。

このウイルス、実は神経にもダメージを与えることがあるんです。そこから「もしかすると、脳にも悪影響を与えて認知症のリスクを高めるのでは?」と考えられてきました。

 

Nature (2025年4月公開): ウェールズにおける帯状疱疹ワクチン接種の「自然実験」研究

これは生ワクチン(Zostavax)での研究   :  Nature volume 641pages438–446 (2025)

イギリスのウェールズという地域で行われた研究では、帯状疱疹ワクチンを受けた人と受けていない人を比べて、7年間で認知症になる人の数を調べました

その結果、ワクチンを受けた人では、認知症になる人が20%も少なかったんです!

  • つまり、5人に1人くらいが認知症を防げたかもしれないという結果です。 ただこれは女性に現れ、男性には傾向がみられたのみでした

この研究はとてもよく設計されていて、ワクチンを打った人がたまたま健康意識が高いから、という理由では説明できないように工夫されています。

では最近人気の組み換えワクチン(シングリックス)はどうなのでしょう?

 

新しいワクチン組み換え型ワクチン「Shingrix」でも効果が!?

こちらを参考 :Nature Medicine volume 30pages2777–2781 (2024)

生ワクチンは米国では2017年以降使用されなくなってます。(日本では二つから選べます。)

もともとは「生ワクチン(Zostavax)」でこのような結果が出ていたのですが、今はより効果の高い**組換え型ワクチン「Shingrix(シングリックス)」**が主流となっています。

アメリカで行われた大規模研究(Nature Medicine, 2024年)では、Shingrixを接種した人は、生ワクチンを接種した人よりもさらに長く認知症にならずに過ごせることが示されました。

具体的には、

  • 認知症の発症が平均で約5か月(164日)遅れた

  • その効果は男性よりも女性でより強く現れた

  • Shingrixには強力な免疫刺激剤(アジュバント)が含まれており、それが脳の神経を守る働きにもつながっているのではと考えられています

このように、帯状疱疹そのものをしっかり防げるワクチンほど、認知症のリスクも下げられるかもしれないという流れが見えてきました。

 

どうしてワクチンが認知症に効くの?

詳しい仕組みはまだ研究中ですが、考えられている理由としては…

  1. ウイルスが再び暴れないようにして、脳へのダメージを防ぐ

  2. 体の中の“炎症”をおさえることで、脳の老化を防ぐ

  3. ワクチンによって免疫が整い、全体的な健康が守られる

どれか1つというより、いくつかの要因が重なっていると考えられています。

 

実は、運動も認知症予防になるんです。(またもや La TAKEにつなげる流れ・・・。^^。)

「ワクチンも大事だけど、もっと身近なことでできる予防法はないの?」

そんなあなたにお伝えしたいのが、運動の力です。

適度な運動は、認知症の予防につながることがはっきりわかってきています。

特に筋力トレーニングやウォーキングなどの継続的な身体活動は、脳と身体の健康を同時に守るカギになります。

身体活動を増やしましょう!!!

 

あっ!  話が脱線しました。

 

ワクチンを打つときの参考に

帯状疱疹ワクチンは、50歳以上の人におすすめされているワクチンです。もともとは「帯状疱疹を防ぐため」のものですが、もしかすると将来の認知症リスクを減らすという意味でも、大きな価値があるかもしれません。

ただし、「ワクチンを打てば認知症にならない!」とまでは言えません。あくまで、「確率が下がるかも」という段階です。

 

もっと知りたい方へ(参考文献)

 

2025年06月18日
梅雨時期の運動不足をラテイクで解消!

気分もカラダも軽やかに、夏に向けて今こそ「動く習慣」を

雨が続く梅雨の季節。外出の機会が減り、つい「今日はおうちでいいか…」となっていませんか?

でも、そんな時期こそ「動くこと」で気分も体もリフレッシュできます。

 


■ 梅雨にありがちな「運動不足」がもたらす影響

長く続く雨の日は、日常のちょっとした歩行すら減ってしまいがち。

その積み重ねが、体の重さや姿勢の崩れ、体型の変化につながることも少なくありません。

La TAKEでは、**全身を効率よく鍛える「鍛錬マシン」**を使って、無理なく続けられるトレーニングを行っています。

“筋肉をつける”こともできますが、どちらかというと、“使わなくなっていた筋肉を目覚めさせる”ような感覚で、運動初心者の方にも人気です。

 


■ 夏に向けた「ボディメイク」にも◎

この時期から始めるトレーニングは、夏服を自信を持って着こなすための準備にもぴったり。

SNSや美容メディアでも注目されているように、筋トレにはさまざまな見た目のメリットがあります。

 

  • ▶ 筋トレがもたらす美容面での利点(ネット情報・美容専門誌より):
    ・姿勢がよくなり、「若々しさ」がアップ
  • ・背中・二の腕・ヒップラインが引き締まり、服がキレイに着こなせる
  • ・代謝が上がり、痩せやすい体質に変化
  • ・成長ホルモンやマイオカインの分泌により、肌のハリやツヤが改善

さらに、筋トレによって汗をかきやすい体に整えることで、夏に向けた「暑熱順化(しょねつじゅんか)」の一環としても注目されています(La TAKEはTVでも取り上げられました)。

 

特にLa TAKEでは、姿勢改善や日常の動きやすさを意識したマシンが充実しており、無理なく続けられるのが魅力です。

 


■ トレーナーからのワンポイントアドバイス

― 雨の日でもモチベーションを保つコツ ―

「今日はやめておこうかな…と思ったら、“とりあえず着替えてみる”のがおすすめです。服を着替えると、自然と気持ちも切り替わるんです」

― La TAKEトレーナー・須崎

また、「いつもより短時間でもOK」と思うと気がラクに。

完璧を目指すより、“とにかく行ってみる”の積み重ねが、習慣づくりの秘訣です。

雨の日ほど、「行ってよかった!」と思える声も多いですよ。

 


■ 屋内ジムだから、雨でも安心して通えます

La TAKEは、雨の日も濡れずに通える屋内ジム。

予約制なので、混み合うこともなく、自分のペースで集中してトレーニングできます。

 


■ まとめ:梅雨は“変わるチャンス”かもしれません

雨の季節は、気持ちもどんよりしがち。でも、体を動かすと自然と前向きな気持ちになれます。

La TAKEは、そんな「第一歩」を応援する場所。

「夏までに引き締めたい」「最近、なんとなく疲れやすい」――そんなあなたにこそ、一度体験してほしいジムです。

 


▶ まずは体験から、お気軽にどうぞ

▶ ご予約・お問い合わせは【こちら】

Instagramでも日々の様子などを発信中!

 

2025年06月06日
インフルエンザワクチン4価から3価に変わるそうです。

【2025/26シーズン】インフルエンザワクチンが3価に変更されます

こんにちは、1年は早い。

もう6月ですね。例年10月にはインフルエンザワクチンが開始されます。

今シーズンは「インフルワクチンは変化の時代」かもしれませんね

2025/26シーズン(令和7年度)より、日本のインフルエンザワクチンが従来の4価から3価へと変更されます。

この変更の背景や、新たに使用可能となったワクチンについてご紹介いたします。

 


なぜ4価から3価に変更されるの?

これまでのインフルエンザワクチンは、A型2株(H1N1、H3N2)とB型2系統(ビクトリア系統、山形系統)の計4株を含む4価ワクチンが使用されてきました。

しかし、近年、B型山形系統のウイルスは世界的にほとんど検出されなくなっています。そのため、WHO(世界保健機関)は2025/26シーズンのワクチンから山形系統を除外し、3価ワクチンとすることを推奨しました。

日本の厚生労働省もこの方針に従い、3価ワクチンへの移行を決定しています。

 


新たに使用可能となったワクチン

フルミストは昨年から開始されていますね。当院では下記の2種類は採用するかどうか、検討中です。

 

フルミスト(経鼻弱毒生インフルエンザワクチン)

フルミストは、鼻にスプレーするタイプのワクチンで、2歳から18歳までの方が対象です。

注射が苦手なお子様にもおすすめです。フルミストは、鼻の粘膜に免疫を誘導することで、インフルエンザウイルスの侵入を防ぎます。

また、効果の持続期間が約1年と、従来の注射型ワクチン(約5か月)よりも長いとされています

 

高用量インフルエンザワクチン(エフルエルダ®筋注)

エフルエルダ®は、60歳以上の方を対象とした高用量のインフルエンザワクチンです。

1株あたりの抗原量が標準用量の4倍で、免疫機能が低下している高齢者において、より強い免疫応答を誘導します。

臨床試験では、標準用量ワクチンと比較して、インフルエンザ発症率が24.2%低下し、入院や心肺イベントのリスクも低下することが示されています 。厚生労働省+4sanofi.co.jp+4厚生労働省+4sanofi.co.jp+2医薬通信社+2sanofi.co.jp+2

 


まとめ

  • 2025/26シーズンから、日本のインフルエンザワクチンは3価に変更されます。

  • 新たに、フルミスト(経鼻ワクチン)やエフルエルダ®(高用量ワクチン)など、多様なワクチンが使用可能となりました。(市からの補助などが出るかどうかは、現時点では不明です。)

  • ワクチンの選択は、年齢や健康状態に応じて最適なものを選ぶことが重要です。

 

 


参考資料:

 
2025年06月03日
データで紐解くサルコペニア予防の運動習慣―今日から始める筋トレ

今回、岡山で開催された糖尿病学会総会で紹介のあった論文を一つお知らせします。

この論文は順天堂大学医学部のサイトにも詳しく日本語で載っていますので、ぜひ後ほどご参照ください。

 

研究の背景と目的

日本では高齢化が進み、サルコペニア(加齢による骨格筋量や筋力の低下)は要介護リスクを高める大きな問題になっています。とくに糖尿病を持つ人は筋肉量が減りやすく、サルコペニアを合併すると健康寿命にも悪影響があります。そこで本研究では、

  1. **思春期(中学・高校)**の運動習慣

  2. **高齢期(65~84歳)**の運動習慣

という二つの時期の運動習慣の組み合わせが、高齢期のサルコペニアリスクにどう影響するかを調べました

 


対象と方法

  1. 対象集団

    • 東京都文京区在住の65~84歳の地域在住高齢者1,607名(男性679名、女性928名)を解析対象としました。全員について、骨格筋量(DXA)、握力、歩行速度などのデータを取得しています

    •  
  2. 運動習慣の評価

    • 思春期運動習慣:中学・高校時代に部活動などで運動をしていたかを聞き、「していた」と答えた人を思春期運動習慣ありとしました。

    • 高齢期運動習慣:週2回以上、1回30分以上の運動を継続しているかを確認し、「している」と答えた人を高齢期運動習慣ありとしました。

    • これらの基準で対象者を以下の4つのグループに分けました。

      • NN群(None–None):思春期・高齢期とも運動習慣なし

      • AN群(Active–None):思春期のみ運動習慣あり、高齢期にはなし

      • NA群(None–Active):思春期には運動習慣なし、高齢期のみ運動習慣あり

      • AA群(Active–Active):思春期・高齢期の両方で運動習慣あり

      •  
  3. サルコペニアの定義

    • AWGS 2019改訂版に基づき、

      • 低筋肉量:男性SMI < 7.0 kg/m²、女性SMI < 5.4 kg/m²

      • 低筋力:男性握力 < 28.0 kg、女性握力 < 18.0 kg

      • 低身体機能:男性最大歩行速度 < 1.46 m/s、女性 < 1.36 m/s

    • 低筋肉量かつ(低握力または低歩行速度)がある場合を「サルコペニア」と定義しています

    •  
  4. 統計解析

    • 年齢・BMI・喫煙歴・教育年数・たんぱく質摂取量・糖尿病既往・循環器疾患既往・骨粗鬆症既往などを補正した多変量ロジスティック回帰分析を行い、各グループのサルコペニア・低筋肉量・低身体機能のオッズ比(OR)をNN群と比較しました。

    • モデル3では年齢、BMI、喫煙歴、教育年数、たんぱく質摂取量、糖尿病、循環器疾患、骨粗鬆症を補正しています。

    • モデル4ではさらに思春期から中年期(20代~50代)の運動習慣スコアを追加で補正しています

    •  

主な結果

  1. 男性(N=679)の結果

    • サルコペニア有病率は6.6%(45/679)。

    • 低筋肉量は14.3%、低身体機能は25.6%。

    • **AA群(思春期・高齢期ともに運動習慣あり)**では、NN群に比べてサルコペニアリスクが有意に低下していました(モデル3でOR=0.29、P=0.044)

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  2. 女性(N=928)の結果

    • サルコペニア有病率は1.7%(16/928)。

    • 低筋肉量は5.2%、低身体機能は19.6%。

    • サルコペニアそのもののORには有意差は見られなかったものの、低身体機能に注目すると、AA群でリスクが有意に低下していました(モデル3でOR=0.48、P=0.010)

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  3. モデル4(中年期の運動習慣を追加補正)でも同様の傾向

    • 男女ともAA群でリスク低下が持続し、「思春期と高齢期の両方で運動習慣を持ち続けること」がサルコペニア予防に寄与する結果となりました。

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考察

  • 思春期だけ・高齢期だけでは十分ではない

    • AN群(思春期のみ)では、高齢期に運動習慣がなければサルコペニア予防効果は限られていました。

    • NA群(高齢期のみ)でも一定の傾向はありましたが、AA群ほど強力ではありませんでした。

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  • 「今からでも遅くない」

    • 中学・高校時代に運動していなかった人でも、高齢期から運動を始めて継続することでサルコペニアリスクを軽減できる可能性があります。

    • まさに「人は今が一番若い」。今日からでも身体活動を始める価値があります。

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  • 女性のサルコペニア有病率の低さ

    • 本研究では女性のサルコペニア有病率が1.7%と低く、全体解析で有意差を検出するのは難しかったかもしれません。

    • しかし筋力・身体機能(低身体機能)についてはAA群で明確な予防効果が示されており、生活の質向上において大きな意味があると考えられます

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  • 臨床への応用:糖尿病を持つ方にとっての意義

    • 糖尿病を持つ方は筋肉量低下が起こりやすく、サルコペニアを併発すると予後不良リスクが高まります。

    • LaTAKEでは鍛錬マシンを用いた個別の筋力トレーニングプログラムを提供しており、高齢期からでも運動習慣を獲得・継続することでサルコペニア予防につながります。

    • 中高時代に運動経験がなかった人でも、LaTAKEで今日から筋トレを始めることで、将来の筋肉量・筋機能の低下を抑えられるといいなと思っています。

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まとめとメッセージ

  1. 「データで示されたサルコペニア予防のポイントは、生涯を通じた運動習慣の継続にある」

    • 思春期と高齢期の両方で運動習慣を持つ人ほど、サルコペニア・低身体機能リスクが有意に低いという結果でした。

  2. 「思春期に運動していなかったとしても、今からでも遅くない」

    • 今日がいちばん若い日です。今日から身体活動を始めれば、サルコペニアリスクを軽減し、健康寿命を延ばす一歩になります。

  3. 「筋肉量を落とさないために、LaTAKEの筋トレを活用してみませんか?」

    • LaTAKEでは、当院の監修のもと、鍛錬マシンを使った安全かつ効果的な筋力トレーニングを行っています。

    • 特に糖尿病を持つ方にとって、食事療法だけでなく運動療法も欠かせません。LaTAKEで運動習慣を始め、サルコペニアを予防して要介護リスクを抑えましょう。

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参考情報

  • 本論文の詳しい日本語要約は順天堂大学医学部のサイトに掲載されています。気になる方はぜひご覧ください。

  • Tabata, H. ほか. Effects of exercise habits in adolescence and older age on sarcopenia risk in older adults: the Bunkyo Health Study. J Cachexia Sarcopenia Muscle 14, 1299–1311 (2023).

2025年05月31日