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新型コロナウイルス感染症5類移行後の、保険診療における検査費等の外来における費用負担について

 

2023年5月8日より新型コロナウイルス感染症は感染症法上の5類感染症に移行されます。

それに伴い、これまで公費でまかなわれていた検査費用(COVID19の抗原検査やPCR検査は無料)などが自己負担(保険により1割〜3割)となります。

自己負担はどのぐらいになるのか 3割負担の方の場合の費用を例として記載しておきます。

 COVID19のPCR検査:2550円

 COVID19の抗原検査:1320円

 コロナとインフル抗原同時検査:1690円 です。

これに初診料または再診料や 院内トリアージ加算、採血費用、処方箋費用などが加わりますので、全体として(採血やPCRを行った場合)これまで約3600円前後だった費用が約6200円前後となります。2類相当だった時は、診療費の多くは国が公費でサポートしてくれていたので、5類移行後は風邪(感染症)診療だけでも費用がかなり増えますので、ご注意ください。

 

尚、これまで通り、当院では受診時にマスクの着用をお願いします。また、感染症が疑われる場合(喉が痛いや下痢だけなどの主訴も含め)は必ず電話での予約をお願いいたします。電話せずに来院された場合は、院外での待機や数時間の待ち時間などが発生する事や、診療が行えない事もございますので、ご理解ください。

また、最近では保険診療の点数が変更になることも多いです。医療機関及び医師の判断によって検査内容などは異なります。上記は概算であることをご留意ください

2023年05月04日
第120回日本内科学会総会

 

今回4月14日から休診し、内科学会に参加してきました

沢山の内容でしたが、主に私が聴講したのは、

  •  A)COVID-19に関する最新の研究成果:新型コロナウイルス感染症に関する研究が多く報告されました。また、ワクチンの効果や副作用、治療法の最新情報など。
  •  B)  内分泌疾患の治療法の進展:糖尿病や甲状腺疾患などの内分泌疾患の治療に関する新しい手法や薬剤の効果についての研究結果。
  •  C)  循環器疾患の最新動向:高血圧や心不全、不整脈などの循環器疾患の最新の診断・治療に関する研究と、予防や管理の重要性。
  •  D)  内科領域における人工知能の応用:人工知能を活用した診断や治療の進展についての研究と内科領域におけるデジタルヘルスケアの可能性。
  • 個人的に一般演題の内容の便秘薬の新たな可能性が、驚きでした!

最近の学会はオンラインでも良いのですが、5時間以上の聴講などが必要なので、パソコンの前よりも現地にいる方が時間が早く過ぎますね。

 

2023年04月17日
経口セマグルチド(飲み薬)の体重減少効果をまとめてみました。

 

今回は、前回のセマグルチド注射薬の肥満症への保険適応のニュースがありましたので、糖尿病治療薬として使用する飲み薬の(経口薬の)体重減少効果について、少しまとめてみようかと思います。

 

先に書いておきますが、決して、体重減少を認めるので勧めるという意図ではありませんし、自費診療で使用されているセマグルチドを推奨するということではありません。

ただ、自費診療を完全に否定するという事でもありません。という立場を私はとっているということは明記しておきます。

これまでに、セマグルチドの経口剤は糖尿病治療として許可される為や、効果を判定する為に沢山の試験がされてきました。今回はその試験の中の一部を取り上げます(PIONEER試験と言われる一連の試験)。これは糖尿病治療薬ですので、あくまで、薬剤効果の主要評価項目は血糖効果や安全性、心血管疾患の予防効果などの評価の為にあり、今回取り上げるのは副次効果としての体重減少をピックアップしている事であることはご理解ください。

 

では今回まとめてみようと思って集めた研究は下記になります。

 

  •  ①   PIONEER2:Diabetes Care 42(12) :2272-2281,2019   2型糖尿病を対象としたエンパグリフロジンとの比較検討試験(海外データ)52週間
  •  ② PIONEER3:JAMA321(15):1466-1480,2019 日本人を含む2型糖尿病患者を対象としたしたグリプチンとの比較検討試験 72週間 
  •  ③ PIONEER6:N Engl J Med 381(9):841-851,2019 経口セマグルチド第3相臨床試験 2型糖尿病を対象としたプラセボ比較、心血管アウトカム試験(海外データ)
  •  ④   PIONEER9:Lancet Diabetes Endocrinol 8(5):377-391,2020 経口セマグルチド第2/3相臨床試験 52週
  •  ⑤   PIONEER10:Lancet Diabetes Endocrinol8(5):392-406,2020 にある日本人2型糖尿病を対象とした経口糖尿病薬併用、デュラグルチドとの比較検討試験 52週間

 

個人的にまとめた結果に行きます。

体重減少効果のデータについて簡潔に下記に示します。(平均値・中央値や標準偏差・p値などは省いていますので、気になる方は上記原文を参照してください)

 

  【PIONEER2】 

  ベースラインからの変化量(%) 52週時点

    経口セマグルチド14mg  −3.8% エンパグリフロジン −3.6%

 

  5%以上体重減少した人の割合  52週時点

    経口セマグルチド14mg  40.4% エンパグリフロジン 39.2%

 

  【PIONEER3】 

  ベースラインからの変化量(Kg) 52週時点

    経口セマグルチド3mg      -1.6kg   シタグリプチン −0.8kg

    経口セマグルチド7mg      -2.4kg

    経口セマグルチド 14mg   -3.4kg

 

  ベースラインからの変化量(Kg) 78週時点

    経口セマグルチド3mg      -1.8kg   シタグリプチン −1.0kg

    経口セマグルチド7mg      -2.7kg

    経口セマグルチド 14mg   -3.2kg

 

  5%以上体重減少した人の割合  52週時点

    経口セマグルチド3mg      15.4%  シタグリプチン 11.4%

    経口セマグルチド7mg      27.3%     

    経口セマグルチド14mg    33.8%

 

       5%以上体重減少した人の割合  78週時点

    経口セマグルチド3mg      19.5%  シタグリプチン 13.3%

    経口セマグルチド7mg      27.1%     

    経口セマグルチド14mg    32.5%

 

 【PIONEER6】

  ベースラインからの変化量(Kg) 試験終了時点(イベント発生122件まで)

    経口セマグルチド14mg       -4.2kg   プラセボ −0.8kg

 

  【PIONEER9】 

  ベースラインからの変化量(Kg) 52週時点

    経口セマグルチド3mg            0 kg     リラグルチド0.9mg +0.4kg

    経口セマグルチド7mg         -0.6kg

    経口セマグルチド14mg      -2.8kg

 

  5%以上体重減少した人の割合  52週時点

    経口セマグルチド3mg      2.6%  リラグルチド0.9mg  4.9%

    経口セマグルチド7mg    11.6%     

    経口セマグルチド14mg     41.5%

 

  【PIONEER10】 

  ベースラインからの変化量(Kg) 52週時点

    経口セマグルチド3mg            0 kg     デュラグルチド0.75mg +1.0kg

    経口セマグルチド7mg         -0.9kg

    経口セマグルチド14mg      -1.6kg

 

  5%以上体重減少した人の割合  52週時点

    経口セマグルチド3mg      5.5%   デュラグルチド0.75mg  6.3%

    経口セマグルチド7mg    16.3%     

    経口セマグルチド14mg     22.0%

 

まとめ

 各試験で経口セマグルチドと比較する薬剤や治療介入方法は異なります。プラセボ(偽薬)が相手(対象)だったり、血糖を下げるために追加する薬剤が違ったり、心血管疾患のデータが揃うまで試験を続けるなどなどいろんな違いがあります。また、様々な研究は、まず、どのような効果を評価したい→そのためにはどのような比較をするべきか(研究デザイン)→結果として主要となる効果の評価を行う。という順序で行うためにデザインされた研究になります。今回お示しした研究は全て、体重減少は目的ではありません。副産物として(副次効果として)出てきたデータですので、これが全てを示すというわけではないと言う事は理解していただかなければなりません。

ただ、少しだけ傾向がある事にはお気づきになったかもしれません。まとめてみましたのでご参考にされてください。

 

 

 

 

2023年03月21日
セマグルチドが肥満症薬として承認!

とうとうこの時が来ました。

2023年1月27日厚労省の薬食審・医薬品第一部会にて肥満症治療ウゴービ皮下注射(一般名:セマグルチド)が承認されました。

現在、持続性GLP1受容体作動薬として、週一回の注射薬オゼンピック®️と、飲み薬としてリベルサス®️という薬がありますが、どちらも2型糖尿病の治療薬として使用されています。このどちらも一般名はセマグルチドであり、上記のウゴービ®️と同じです。これまでは、GLP1受容体作動薬の適応外使用である、美容・痩身。ダイエット目的での自由診療については、日本糖尿病学会としても適正使用を守るよう、見解が示されていたのですが、ようやく臨床試験の結果もそろい、この薬剤に関しては承認となったようです。

ただし、この部分は必ず守る必要があります「肥満症 ただし、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行なっても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。 BMIが27kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する、BMIが35kg /m2以上」

これまで、肥満症の薬としてはマジンドール®️(一般名:サノレックス)がありましたが使用にはかなり注意が必要で、ほとんど使用されていませんでした。そういう意味では、現在すでに2型糖尿病の方に使用されているお薬ですので糖尿病専門医としては使用しやすい薬が、肥満症に対して使用できるようになったのは、非常に嬉しく思います。

みなさんご存知のように、肥満症はさまざまな疾患の原因になります。その治療がしっかりとできるということは、将来が明るくなりますね。

尚、ウゴービ皮下注射®️に関しては、2023年2月8日時点でまだ、薬価収載などが終わっていませんので、もう少しクリニックで使用できるには時間がかかりそうです。

2023年02月08日
年末年始、感染症外来(発熱外来)について

 

新型コロナウイルス感染症の拡大の為、12月31日までと1月3日に感染症外来を行います。

 

診療は通常の一般診療は行なっておりません。当院のスタッフの人数も限られる為、完全予約制のみの対応になります。

電話でのお問い合わせの上、予約をとってください。予約のない方の診療は行えません。

 

夕方までの予約が埋まり次第、電話は留守電となりますので、その後の電話でのお問い合わせは対応できません。ご了承ください。

(診療開始後、数十分程度で診療時間のすべての予約が埋まってしまう状況が続いています。ご理解ください)

 

駐車場は、ミニストップ横の正面入り口は閉めております。愛宕小学校側から入る部分がありますのでそちらからお入りください。

 

2022年12月29日
イミグリミン

 

新しい糖尿病のお薬の勉強になりました。

2022年12月21日
テストステロン

お世話になっている先生の座長をさせていただいたのですが、テストステロンは奥深いですね。

 

2022年12月15日
12月3日(土曜日)は休診となります。

 

 2022年12月3日は学会参加のため、休診とさせていただきます。

 

2022年11月16日
市民公開講座に登壇いたします。

10月9日にフットケア・足病医学会地方会が主催する市民公開講座に、当院から院長と井上看護師が登壇いたします。

フットケアと糖尿病足病変の治療にたずさわる者として、非常にありがたい機会をいただきました。

お時間がある方は10月9日電気ビル共創館3F 第2会場にお集まりください!!

 

↓をクリック(2度)すると案内が出てきます。

市民公開講座

 

 

#フットケア#市民公開講座#足の病気#日本フットケア足病医学会九州・沖縄地方会

 

2022年10月02日
コロナ抗原検査キット 配布

 

 

当院での配布は行なっていません。

ネットで配布が受けれるようですので、以下を参考にして下さい。

2022年08月11日