足もとから、健康を見直していきませんか?
靴擦れやマメやタコができたり、足のさまざまなトラブルにお悩みの方は多いのではないでしょうか。基礎疾患のある方は、足のトラブルが病気による重要なサインの場合もあります。
何科を受診すればよいか迷われている方も多いかと思いますが、まずはたけのしたクリニックへご相談ください。
経験豊富な医師とスタッフが在籍し、これまで福岡市内でNPO法人「足もと健康サポートねっと」にも参加してきたこともあり、足全般に関するご相談を受けることが可能です。
フットケア診療への思い
「先生、足なんて恥ずかしゅうて、みせれんよ」「糖尿病で足まで診てもらったの初めてだわ!」「足の事、どこに相談したらいいか分からなかった」
これは、患者さん方からよく言われる言葉です。
この言葉は、私にとって最高の褒め言葉だと思っています。
医師になって3年目の未熟な時に、足の病気を診てもらえるところが、少ない、診療科がわからない。そんな思いをしました。そして、とりあえず、自分が血管の病気を勉強して、一緒に足の血管のことも勉強しようと思い、循環器科の勉強に1年半行かせていただきました。その間、足の事をもっと深く勉強したいと思い、大学講師の先生にお願いして、京都医療センターで血管外科や皮膚科・糖尿病科で1年間、足の事だけ勉強させてもらいました。休日も患者さんの足を洗いに(傷の処置です)いってました。足の上のほうから切断になった方もおり、悲しい思いもしましたが、やっていて気づいた事があります。足は長生きするために、元気でいるために、すごく大切であるということ。足を診ることで、全身状態がわかることがある。と。
ですので、当院は足を診る事に重点を置いています。ただ、いい事だけではありません。私は経営者でもあるので、お金のことを少し書くと、足を診ることは、診療報酬はすごく少なく(まだ2018年頃よりはよいのですが)診察に時間もかかりますので、医療機関の経営的には採算という点で難しいところがあります。ですので、足を診ている医療機関はそんなにないはずです。ただ、私は足を診ることはやめません!!。それどころか、足を診るのが得意な看護スタッフが当院には2人もいます(2020年末時点)。皆さんの足を守る事は当院に来てくださる方の健康を守る事です。かかりつけ医として、足を診る、靴の相談を受ける、爪の治療をするなど。フットケアは私たちにとっても、大切な診療だと思っています。恥ずかしがらずに、足をみせてください!!
院長 竹之下 博正 たけのした ひろまさ
糖尿病フットケア
糖尿病患者さんの足の現状をご存知でしょうか?
実は世界では20秒間に1つの足が糖尿病の為に切断となっています。
糖尿病の方は、「運動しましょう」とこれまでに言われたたことはあると思いますが、運動する前に足のチェックを受けたことはありますか?実は運動する際には「足をよく観察」することが推奨されています。(糖尿病診療ガイドライン2016 P73 Q4-5「ステートメント」5段目) ご自分で足をみて、足の病気になりやすいか、なりにくいかを判断するのは非常に難しいです。福岡の六本松にある福岡市科学館に行かれたことはありますか?そちらの3Fには株式会社ASAHIシューズのブースがあり、「子供に多い足のトラブル」の原因が書かれています。(2018年8月時点)「外反母趾」「内反小趾」「開帳足」「ハンマートウ」「陥入爪」などです。実はこれらは糖尿病患者さんに生じると下肢の切断につながる可能性を秘めているものです。ご自身でこれらを理解するのは難しいかと思います。是非、足をみせてください。もし、必要があれば靴や中敷き(インソール)をお勧めします。例えば、重症の糖尿病神経障害(
「しめじ」の項目をご参照ください)がある患者さんに、タコ(医学的には胼胝といいます)が存在する場合は一般の方よりも切断につながる足の潰瘍になる確率は11倍というデータがあります(Diabetic Med 1996)。糖尿病の方にとっては、「たかがタコ(胼胝)、されどタコ(胼胝)」です。
糖尿病と足病変の関係
「糖尿病足病変(Diabetic foot)」という病変を聞いたことがありますでしょうか?世界保健機関(WHO)では「神経障害や血流障害を伴った下肢の感染症や潰瘍及び深部組織の破壊病変を示すとされています。
日本では、それほど多くはなく、糖尿病患者さんの足えそ(壊疽)の有病率(病気を持っている人の割合)は1%前後ぐらい(欧米では2~10%)で、糖尿病専門病院にかかっている方の切断率は年間0.05%(欧米は約0.3%前後)と言われています。
しかし、現在日本の糖尿病足病変で問題となっているのは、高齢化と透析患者さんの四肢切断です。透析患者さんの四肢切断数の割合は2014年には3.7%との報告が日本透析医学会より示されています。これは年々増加医傾向にあります。
「しめじ」の項目にも記載しておりますが、透析患者さんの多くが糖尿病をお持ちです。糖尿病からの透析患者さんは切断率が高いのが現状です。この切断率を減らすために国は下肢末梢動脈疾患指導管理加算を2016年に新設し透析施設では近くの基幹病院と連携することで、足のチェック(フットチェック)をする機会が増えました。これは今後透析患者さんの下肢切断をかなり減らすことができるようになる非常に重要な部分だと思います。
しかし、透析が必要になる前が非常に重要です。多くの場合、透析が必要にはなっていなくても糖尿病腎症が進んだ状態になると、足のむくみなどの症状が出てきます。そのときには多くの場合、最も早期に出現する合併症である、糖尿病神経障害は非常に進行している状態です。どういうことかというと、既に足の感覚はかなり落ちている可能性が高く、足の病気(糖尿病足病変)になっても痛みがないので気付かない状態になっていることがあります。更に、腎臓の病気で足がむくんでいると一度傷が足にできてしまうと治りにくい状態になります。つまり、下肢の切断の危険は潜んでいるためそのころから、ご自身の足がどうなっているかを知っていただく必要があります。
また、現在日本は超高齢化社会を迎えています。「ピンピンコロリ(PPK)」とよく言われますが、できれば、寝たきりで過ごすよりも、家族に迷惑をかけずに過ごしたいと思われている方がほとんどではないかと思います。そのPPKで行くには健康寿命を延ばす必要があります。健康寿命を延ばすには、歩けること、つまり歩行を保つことも非常に重要ではないでしょうか?実は糖尿病患者さんは転倒することが多いと言われています。転倒すると、骨折場所によっては寝たきりになってしまいます。なぜ糖尿病の方が転倒しやすいかと言いますと、神経障害です。神経障害があるとバランスが悪くなったり、足の(下肢の)筋力が低下しやすくなります。これは、最近出てきた医学用語である「ロコモーティブシンドローム」、「フレイル」、「サルコペニア」といった病気と関連します。
当院では糖尿病足病変治療(足潰瘍や傷のある患者さんも含めて)をこれまで多数経験してきた医師及び糖尿病患者さんのフットケアを多数経験している看護師も在籍しております。また、筋肉量を測定するために「Inbody」という機器を使用し転倒の危険性や、足の病気になる前の予防指導を行っております。
足病変の主な症状
□しびれがある
□足が冷たい、ほてる
□足がよくつる
□足が痛い、しびれる
□皮膚や爪の色が悪い
□皮膚が乾燥している
□傷が治らない
□膿が出る
自分でできるフットケア
□毎日、足を観察しましょう
□足を清潔に保ちましょう
□爪は切りすぎに注意し正しく切りましょう
□自分の足に合った靴を履きましょう
□靴下を履きましょう
□やけどやケガに注意しましょう
□定期的に受診し、ひどくなる前にケアしましょう
しもやけ(凍瘡)
肌が露出している頬や鼻、耳、手足の指などに起こりやすい「しもやけ」。特に手足の指が赤紫色になってウインナーのように腫れあがり、ジンジン、ムズムズするような痛痒さがあります。ひどくなると水ぶくれや潰瘍になることもあります。
また、しもやけだと思っていても、足の血管に血流障害がかくれている場合もあります。当院では、ABIやTBI(血圧脈波検査)といった血流の検査ができます。たかがしもやけだと思わず、ご遠慮なくご相談ください。
しもやけの原因
しもやけの原因は、寒暖差による血行障害です。
最低気温が5℃前後になり、一日の気温差が10℃を以上になってきたら要注意です。真冬よりも初冬や春先など、気温差が大きくなる季節に多くみられます。暖房の効いた部屋と屋外の温度差も、しもやけを発症しやすくなり要注意です。(暖房の効いた部屋では靴の中が蒸れてしまい、そのまま寒い屋外へ出ると靴の中でかいた汗が乾くときに急激に冷えて、靴の中で寒暖差が生じてしまいます。)
手足が冷えると、血管を収縮させて皮膚表面の温度を上げようとします。また、温まると血管を広げて皮膚表面の温度を下げるように働きます。寒暖差が激しいと、この状態が何度も繰り返され、調節機能がうまくいかなくなり血行障害や炎症が起こります。これがしもやけです。毎年、しもやけになるという方でなくても、寒暖差の激しい季節には、しもやけになる可能性があります。また、しもやけ体質は遺伝することがわかっています。
しもやけの予防
起こってしまうとツライしもやけは予防が大切です。血行を良くして、皮膚のバリア機能を高めましょう。
■外出時は防寒と保温に努めましょう。
マフラー、手袋、帽子、保温性のある靴下やレッグウォーマーなど。
カイロも有効ですが、糖尿病患者さんの足への使用は低温火傷の危険性があるため厳禁です。
■靴に注意しましょう。
パンプスや男性の皮靴など先の細い靴や、ふくらはぎから足全体にフィットするブーツなどは足の指先が圧迫され血行不良を起こしやすい状態になります。つま先を締め付けるような窮屈な靴は避け、蒸れにくい靴を選びましょう。
靴を履く前に、足を30秒ほど揉むだけでも足先の血行が良くなります。
■湿気を避けましょう。
靴下は血行不良を起こさない汗を吸い取る5本指靴下や、蒸れや冷えから足を守る保温性のある靴下を選びましょう。湿気た靴下は足を冷やします。すぐに履き替えましょう。
水仕事や手洗いの後、濡れた状態でいると水分が蒸発する際に、急激に冷えることで寒暖差が生じ、しもやけが起こります。水分をしっかり拭きとり、保湿クリームを塗って皮膚を保護しましょう。
■保湿しましょう。
普段からハンドクリームなどで保湿されている方も、さらに血行改善効果のあるヘパリン類似物質が入ったクリームやビタミンEが入った塗り薬に変更しましょう。当帰四逆加呉茱萸生姜湯などの漢方薬やビタミンEなどの内服薬が効果的な場合もあります。ぜひご相談ください。
■栄養バランスの良い食事をしっかり食べましょう。
ピーナッツなどのナッツ類や植物油、ほうれん草、かぼちゃ、アボカド、卵黄など)。緑黄色野菜に多く含まれるベータカロチンやビタミンCはビタミンEの吸収率を上げてくれるので一緒に摂るのがおすすめです。
■ゆっくり湯船につかりましょう。
入浴はシャワーで済ませずに、ぬるめのお湯(37度くらい)にゆっくりつかりましょう。高い温度のお湯は、急激に血管を広げるうえに入浴後は身体が冷えるのが早いため血管が収縮し、肌も乾燥しやすくなります。しもやけの症状が強くなる可能性がありますので、注意が必要です。
巻き爪
糖尿病や高脂血症、高血圧の方々や、ご高齢で筋肉を維持しないといけないときに、私たちは運動をおすすめしますが、巻き爪があると痛みで運動ができません。そのような場合は、運動する前に爪の治療が必要になります。
La TAKEで行う巻き爪治療
巻き爪治療は、関連施設「La TAKE」でフットケアに精通した当院の看護師が行っています。詳しくは「La TAKE」のホームページをご覧ください。
靴の選び方、履き方
自分の足に合った靴を履いていますか?
どんなに足にいい靴を履いていても、履き方が間違っていると足トラブルの原因になります。足トラブルの約50%は、靴が原因といわれています。言い方を変えれば、足に合った靴を正しく履くことで足トラブルの約50%は予防できるということです。
靴選びのポイント
1.足のサイズを正しく測りましょう。
測定は出来れば、靴の専門家(シューフィッターの居る靴屋さんなど)で測定してもらいましょう。足長、足幅、足囲など靴を選ぶ際に必要な計測をしっかりしてくれます。左右の足のサイズが違う方は多くおられますので、その場合は大きいほうの足のサイズに合わせます。
2.踵に硬さがあり、踵全体が包まれる靴を選びましょう。
3.靴底は足の指の付け根で曲がる靴を選びましょう。(足の曲がる部分と同じ場所です)
靴底の土踏まずの部分が硬く、ねじれにくい靴を選びましよう。靴底が二つに折れ曲がるような靴は、歩行時にねじれが生じ足の負担が大きくなります。
4.つま先は靴の中で足の指を自由に動かせる余裕があるか。足の1番長い指先から1~2cmのゆとりがあるか確認しましょう。捨て寸と呼ばれる部分です。
靴の踵と自分の踵をぴったり合わせた状態で、足指をしっかり伸ばし、1番長い指(人によっては親指が長い人や2番目の指が長い人など)の先から、靴先までの間に1~2cmの余裕が必要です。インソール(中敷き)が外せる靴なら、外したインソールに足を乗せて確認してみると分かりやすいですよ。これが足先を守ってくれる隙間になります。
5.靴の甲の部分が足にフィットするものを選びましょう。
6.足首で靴を固定できるような、靴ひもまたはマジックテープなどのある靴を選びましょう。靴ひもは、甲の高さやその日の足の状態(浮腫みなど)に合わせて調節できるものでなくてはなりません。
7.インソールを使用される方は、靴に元々入っている中敷きが取り外せる靴を選びましょう。
靴の履き方
■靴の踵は絶対に踏みつぶしてはいけません。靴ベラを使用しましょう。
靴選びのポイント4にもありますが、靴に足を入れたら、踵でトントンし靴の踵と自分の踵を合わせます。その時に踵がぶかぶかしているようなら、踵のサイズが合っていません。
■踵を合わせた状態で足指先の余裕を確認したら、紐をしっかり結びます。
紐で固定することで、足と靴は一体化し、靴の中で足が前にずれることはありません。(歩行時には踏み返しをするため、必ず足が靴の中で前にずれてしまいます)
■靴ひもとファスナーの付いた靴の場合は、ファスナーは靴を脱ぐときに使用し、靴を履くときには靴ひもをほどいて、足に合わせて毎回ひもを結び直します。面倒に感じるかもしれませんが、足を守るためにはこのひと手間がとても大切です。
靴を正しく履くことで、靴の中で足指が解放され、しっかりと地面を掴むような本来の足指の動きができるようになります。巻き爪や陥入爪、爪の肥厚などの爪トラブルや、タコ(胼胝)や魚の目(鶏眼)などの予防にもつながります。特に運動される方は、靴を正しく履くことで怪我の予防にもつながります。
日本は靴を脱いで生活する習慣があるため、欧米に比べ靴文化が遅れています。本来、日常に履く靴は足を守るために履いてほしいと思います。特に糖尿病やリウマチ、外反母趾などの持病をお持ちの方は、足を守るための靴を選んでいただきたいと思います。もちろん足元のおしゃれを楽しむのも大事です。
自分の足でいつまでもしっかり歩けるように、ご自身の足の状態を良く知って、足とよく相談してください。足や靴に関するお困りごとがございましたら、遠慮なくいつでも当院スタッフにお声かけください。たよりになる靴屋さんもご紹介いたします。
下肢静脈瘤
□足がだるい
□足が重い
□足が疲れる
□足がつる(特に夜中や明け方)
□足がむくむ
□すね(ふくらはぎ)のあたりの皮膚が固くなっている
□すね(ふくらはぎ)のあたりの皮膚が茶色くなっている(色素沈着)
・・などの症状はありませんか?
これらの症状は「下肢静脈瘤」という病気でよくみられます。「下肢静脈瘤」について、少しお話いたします。
下肢静脈瘤とはどんな病気?
原因は?
下肢静脈瘤は、静脈の逆流防止弁が壊れることでおこります。
血管には動脈と静脈があります。動脈は心臓から足の先まで酸素と栄養を運んでいます。静脈は全身で使い終わった血液を心臓に返す血管です。足から心臓に向かうため、足の静脈は重力に逆らって上向きに流れます。血液が下向きに流れないように、静脈には逆流防止の弁が付いています。この弁が壊れることで血液が逆流し足に血液がたまります。その結果、静脈は膨れてこぶのようになり下肢静脈瘤になります。
重症化すると湿疹、色素沈着などのうっ滞性皮膚炎から皮膚潰瘍(深い傷)作ることもあります。
なりやすい人は?
■遺伝
父親か母親のどちらかに下肢静脈瘤がある場合は約40%、両親ともにある場合は約90%発症すると言われています。
■立ち仕事
1日8時間以上立ち続けている人は下肢静脈瘤の発生頻度が高いことがわかっています。長時間立ったままでいると重力の力を受け続けて逆流防止弁に過度の負担がかかり、次第に緩んで閉じなくなってしまいます。また、長時間の立ち仕事や座りっぱなしの人など、長時間同じ姿勢で足を動かさないでいると、ふくらはぎの筋ポンプ作用が弱まり血液のうっ滞がおこります。
■加齢
女性は妊娠の機会が増える30歳台以降に急増し、男性は50歳以降に増加してきます。70歳台を超える頃には全体の7割強、女性8割強、男性6割弱が下肢静脈瘤を発症しています。手術などの治療が必要な下肢静脈瘤は全体の1割くらいです。
■妊娠と出産
妊娠中は女性ホルモンの影響で血管が広がりやすくなり弁が壊れやすくなります。また、お腹の赤ちゃんの影響で腹圧が高くなり、静脈が圧迫されて心臓に戻りにくくなるため、逆流防止弁に負担がかかり壊れてしまいます。
■そのほか
便秘や肥満(BMI30以上)のある人
・便秘
便秘の時にいきむと腹圧がかかります。高い腹圧がかかると、お腹の中で静脈を強く圧迫するため静脈弁に負担がかかります。
・肥満
肥満は下肢静脈瘤の危険因子で症状を悪化させるといわれています。肥満の要因でもある運動不足は、ふくらはぎの筋ポンプ作用を十分に活用できていません。
下肢静脈瘤を簡単にセルフチェックしてみましょう!
必ず立った状態で、全身が映る鏡や手鏡を使って足の裏側の血管をチェックします。
1分間立った状態で、足の付け根から太ももの内側、ふくらはぎの内側や足首回りを観察します。
見た目で・・
□足の血管のボコボコ
□細かい血管がクモ状に広がっている様子
□寝ているときに足がつる
□こむら返りが起こる
□足の皮膚が痒かったり、硬くなっていたり、茶褐色に変色している
などがあるか、チェックします。
家族や肉親に下肢静脈瘤になっている方がいないかチェックします。見た目でも、症状でも、お心当たりのことがありましたら、ぜひ当院医師、看護師にご相談ください。
下肢静脈瘤の種類
下肢静脈瘤は、大きく分けて4つに分けられます。
伏在静脈瘤
足の表面近くにある静脈のうち、本幹となる太い血管(4mm以上)が伏在静脈です。この血管がこぶのように拡張した状態を伏在静脈瘤といいます。
側枝静脈瘤
伏在静脈より枝分かれした、さらに先の部分の血管(2-3mm)が拡張してきたものです。膝から下の部分に見られます。
網目状静脈瘤
皮膚の直下の小さな静脈(1-2mm)の拡張で網の目状の広がりを示します。比較的鮮明な青色となります。
クモの巣状静脈瘤
皮膚の表面(表皮)の下の、径1mm以下の極めて細い血管が拡張したものです。盛り上がりが少なく赤紫色になります。
下肢静脈瘤の検査
現在の1番主流の検査は、超音波エコー(カラードプラ)検査です。
視診、触診による診断をより確実なものにするために行います。足にゼリーを塗ってエコーを当てるだけの痛くない検査です。超音波を当てて血流の方向、血管の大きさや走行、逆流の有無を確認します。
下肢静脈瘤の治療法
大きく分けて4つの治療法があります。
保存的治療
生活習慣の改善、弾性ストッキングの着用などによって症状の改善、進行の防止や治療後の再発を予防する治療です。
■生活習慣の改善(日常生活の注意)
長時間の同じ姿勢(立ちっぱなしや座りっぱなし)をさけるようにしましょう。
1時間に1回は足踏みをしたり歩き回ったりして、ふくらはぎの筋ポンプ作用を働かせましょう。毎日、歩く習慣をつけることも効果的です。ちょっとした休憩時間や寝るときに、足を上げておくだけでも足が楽になります。
■弾性ストッキングの最大の特徴
足首の部分が最も圧迫圧が高く、上方にいくにしたがって圧迫圧が低くなるように編み込まれていることが特徴です。
身体には2つのポンプ機能があり、動脈は心臓のポンプ機能、静脈はふくらはぎのポンプ機能を使っています。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれています。デスクワークなどで長時間ふくらはぎの筋肉を動かさないでいると、筋肉の収縮と弛緩の作用が弱まり、血液が血管内にうっ滞して足がだるくなってしまいます。
こんな時に医療用弾性ストッキングを使用します。医療用弾性ストッキングは、この筋ポンプの機能をサポートする効果や静脈の血管径を縮小させて血管本来の働きを改善させる血行促進効果もあります。その他、浮腫みやだるさなどの症状改善や血栓予防にも効果を発揮します。
しかし、医療用弾性ストッキングは長さやサイズ、つま先の有無など様々な種類があり、選び方は簡単ではありません。自分の足の状態に最も適したタイプを選び、正しい使い方をしないと効果が得られないだけでなく、かえって症状を悪化させてしまう可能性もあります。
当院では専門的な知識を持ったスタッフが患者さんに最も適した弾性ストッキングを提案させていただいています。
硬化療法
下肢静脈瘤に直接薬を注射する治療です。
手術
代表的なものは病気の血管を切除するストリッピング手術。
血管内治療(レーザー、高周波ラジオ波)
日帰りでの治療が可能です。