年齢を重ねると、若いころと同じように食事をしても筋肉がつきにくい、運動をしても成果が出にくいと感じる方が多いのではないでしょうか。
この背景にあるのが、「アナボリック・レジスタンス(同化抵抗性)」という現象です。
筋肉は一見すると変わらないように見えますが、実際には、新しい筋肉を作る「合成」と、古い筋肉を壊す「分解」を繰り返しています。このバランスが保たれている限り、筋肉量は維持されます。
若い人の場合、運動や食事(特にタンパク質やアミノ酸)といった“刺激”を受けると、筋肉の合成は大きく高まり、分解をしっかり上回ります。その結果、筋肉は維持・増加します。
ところが高齢者になると、事情が変わります。
同じように運動をしたりタンパク質をとったりしても、その刺激に対する筋肉の合成(MPS)の上昇幅が小さくなるのです。
これを「アナボリック・レジスタンス」と呼びます。
筋肉の分解(MPB)は若い人とほとんど変わらないのに、合成が弱い分だけ差し引きで筋肉が減りやすくなります。
これが、年齢とともに筋肉が減少していく大きな理由の一つと考えられています。
Breen, L., & Phillips, S.M. (2011). Skeletal muscle protein metabolism in the elderly: Interventions to counteract the “anabolic resistance” of ageing. Nutrition & Metabolism, 8:68. doi:10.1186/1743-7075-8-68の文献では、具体的に次のような知見が紹介されています。
若年者では、5g程度のタンパク質を摂取すれば、筋タンパク合成が刺激されるのに対して、高齢者では同じ量では反応が弱く、15g以上のタンパク質が必要になる。特にロイシンを多く含むタンパク質(ホエイプロテインなど)が有効のようです。
レジスタンストレーニング(筋力トレーニング)は、アナボリック・レジスタンスを打ち破る強力な刺激となります。
運動とタンパク質摂取を組み合わせることで、筋肉の合成反応をさらに高めることができる。といったことでした。
高齢者の筋肉を守るには、次のような工夫が勧められています。
① 1回の食事で20g程度のタンパク質をとる
② ロイシンを多く含む食品(乳製品、肉、魚、大豆など)を意識する
③ 定期的にレジスタンストレーニングを行う
ラテイクはその点、関節に優しいレジスタンス運動が安全にできるので、おすすめです。
高齢者では、食事や運動に対する筋肉の合成反応が鈍くなる=「アナボリック・レジスタンス」
分解は変わらないため、筋肉は徐々に減少していきます。
しかし、十分なタンパク質摂取と筋力トレーニングによって、筋肉は何歳からでも応えてくれます。
アナボリック・レジスタンスを理解し、正しい工夫を取り入れることで、加齢による筋肉減少を防ぎ、いつまでも元気に動ける体を保っていきましょう!!