まだ暑さの残る9月ですが、少しずつ身体を動かしやすい季節が近づいてきました。
健康を考えるとき、血圧や血糖値、コレステロールなどの数値を定期的に確認している方は多いと思います。
一方で、「認知機能」や「筋力」について、今の自分の状態を確認する機会は意外と少ないのではないでしょうか。
クリニックでは、病気を治療するだけでなく、これから先も自分らしく生活していくために、日頃から自分の身体の変化に目を向けることも大切だと考えています。
今回は、認知機能を確認する新しい検査「ミレボ」と、健康を支える運動・栄養についてご紹介します。
「最近、もの忘れが増えた気がする」
「人の名前がなかなか出てこない」
年齢を重ねると、このような変化を感じることがあります。
当院では、認知機能を確認する方法のひとつとして、「ミレボ」という検査を受けていただけるようになりました。
ミレボは、タブレット画面に表示される画像や課題を見つめ、その際の視線の動きを測定することで認知機能を評価する検査です。検査時間は約3分と短く、身体への大きな負担もありません。
認知症になる前の段階として知られているのが、軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)です。
MCIでは、もの忘れなど認知機能の低下がみられる一方、日常生活はおおむね自立していることが多くあります。
近年は、アルツハイマー病によるMCIや軽度認知症の一部に対して、病気の進行を遅らせることを目的とした治療薬も登場しています。そのため、以前にも増して、認知機能の変化に早めに気づくことが重要になってきました。
ただし、ミレボだけで認知症やMCIを診断することはできません。
当院での検査結果などから認知機能低下が疑われる場合には、必要に応じて専門医療機関をご紹介し、より詳しい認知機能検査や画像検査などを受けていただきます。
血圧や血糖値を確認するのと同じように、認知機能についても、まずは「今の自分を知る」ことが健康を考えるひとつのきっかけになります。
健康づくりのもうひとつの大切な柱が、運動です。
そして、せっかく運動をするのであれば、ぜひ意識していただきたいのがたんぱく質です。
筋力トレーニングなどの運動を行うと、筋肉には小さな刺激やダメージが加わります。その後、十分な栄養を摂ることで筋肉は修復され、身体が運動に適応していきます。
その材料となるのが、たんぱく質です。
肉、魚、卵、乳製品、大豆製品などを上手に組み合わせながら、一度にまとめて摂るのではなく、朝・昼・夕の食事に分けて摂取することが大切です。
特に運動後は、筋肉が栄養を必要としているタイミングです。
「運動しているのに、なかなか筋力がつかない」
という方は、運動内容だけでなく、普段の食事も一度振り返ってみるとよいかもしれません。
当院では管理栄養士による栄養指導も行っていますので、糖尿病などの治療だけでなく、日頃の食事について気になることがあればご相談ください。
「夕方になると靴下の跡がつく」
「夕方になると脚が重い」
そんな経験はありませんか?
長時間座っている、あるいは立ちっぱなしの状態が続くと、脚に血液や水分がたまりやすくなります。
そこで活躍するのがふくらはぎの筋肉です。
ふくらはぎの筋肉を動かすことで、脚にたまった血液を心臓方向へ送り戻す働きを助けます。
簡単にできる運動が、かかとの上げ下げ運動です。
何かにつかまりながらつま先立ちになり、そのままかかとをゆっくり上げ下げします。まずは10回程度から始めてみましょう。
テレビを見ながら、歯を磨きながら、料理の合間など、生活の中の「すき間時間」に取り入れるのがおすすめです。
ただし、むくみには心臓や腎臓、血管、薬剤などさまざまな原因があります。急にむくみが強くなった場合や、片脚だけが腫れる、息苦しさを伴う場合などは、運動だけで対応せず医療機関にご相談ください。
認知機能も、筋力も、体力も、年齢とともに少しずつ変化します。
大切なのは、
低下してから対応するだけではなく、今の状態を知り、少しずつ備えていくこと。
血圧を測る。
血糖値を確認する。
認知機能を確認する。
食事を見直す。
そして、身体を動かす。
こうした一つひとつの積み重ねが、これからの日常を支える土台になります。
たけのしたクリニックでは、内科・糖尿病診療、フットケア、栄養指導などを通して、皆さまの健康を支えています。
また、クリニック監修の筋力トレーニングジムLa・TAKE(ラテイク)では、日常生活をより快適に過ごすための筋力トレーニングを行っています。
「運動した方がよいのはわかっているけれど、何から始めればよいかわからない」
そんな方も、まずは自分の現在地を知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
健康はゴールではなく、これからの人生を楽しむための土台です。