先日、とある研究会で「蛋白質の種類と腎機能の関係」の事をお聞きしたので、その論文を読んでみました。J Ren Nutr.2017 July;27(4)233-242です。
これはARIC研究といって、米国で行われた生活習慣改善で、心血管疾患(心筋梗塞など)の発症や死亡が防げるかどうか見た研究のサブ解析になります。(これでは45歳以降になってから生活習慣を変えると心血管疾患の危険性が35%へり、死亡の危険性が40%減ることが報告されています)
以前から蛋白をたくさん摂取すると腎臓が悪くなるのではないかと言われており、腎臓が悪くなった場合には蛋白制限の食事療法を行うこともあります。しかし、この論文では蛋白質の種類によって慢性腎臓病(CKD)になるリスクが違うという報告になっておりました。
簡単に言うと、赤身と加工肉は沢山食べるとCKD発症リスクがあがり、穀物や低脂肪乳からの蛋白及びナッツの蛋白はCKD発症リスクは減っているようです。残念ながら、魚やシーフード、卵などの蛋白質では明らかな関係は認めなかったようです。
まだまだ、ガイドライン(治療の指標になるもの)でこの辺は記載はありませんが、お年をとると、筋肉を減らさない為に「蛋白を摂取してください!」と言われますが、腎臓が悪い時にどんなもの食べるのか、そんなヒントを少しもらった気がする論文でした。