お塩の話

11月16日

11月12日~18日までは糖尿病週間の為、少し長めの文章になっております。

 

今日は塩顔男子・しお対応など様々な言葉がありますが、塩の話です。

大昔、私たちの先祖は海から陸に上がる際、進化の過程で低血圧になるのを防ぐために、塩を維持する機能を備えたようです。実際にレニン・アンギオテンシン・アルドステロンといったホルモンがその機能を有しております。血圧を下げるお薬の一部は、そのホルモンの流れをブロックするものなどがあります。

塩は生きていくうえで大事です。武田信玄が経済的封鎖をされて、塩不足で困っていた時に、元々敵対関係だった上杉謙信が塩を送って助けたという話から、「敵に塩を送る」という言葉ができたようです。

 

しかし、これは昔の話。最近では塩を確保・摂取することは簡単で、高血圧の方も多いと思います。塩分摂取量が多い方ほど血圧が高くなりますし、更に年齢が上がれば、塩に対する感受性(塩を摂ることによって血圧が上がりやすくなる)があがる事が報告されています。(Weinberger MH et all. Hypertension 1991;18:67-71)

男女ともに塩分の取りすぎは脳卒中を増やす事、食塩は心血管系の病気の危険因子であること、などなど沢山の報告があります。

18歳以上の1日塩分摂取量の目安は、男性1日8g、女性7g未満が厚労省では推奨されていますし、高血圧の方は1日塩分6g未満が推奨です。

 

では、どのぐらい摂取していますか?以下に、前勤務地で基幹病院と市で協力して作成した、「あいうえお塩分表」をお示しします。これは、塩分1gに相当する食品の量を記載しています。例えば、ラーメン屋さんは沢山あるので、それぞれで異なりますが、大体の目安で、ラーメン1杯スープまで飲んで6gの塩を摂ることになります。高血圧の方はこれだけで一日の塩分摂取量となってしまいます。

 

減塩のコツはいろいろありますので、スタッフにご相談ください。簡単には煮物・汁物・漬物には気を付けて。

病気をお持ちの方は、塩の摂りすぎで更に合併症を増やさないように!「傷口に塩を塗る」事にならないように、一緒に気を付けましょう!!

 

では、本日も しお対応ではなく、神対応まではいかないかもしれませんが、丁寧な診療を心がけて参ります(^^)

 

2018年11月16日