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「糖尿病」「高脂血症」「高血圧」といった生活習慣病治療の意思決定

「糖尿病」「高脂血症」「高血圧」といった生活習慣病治療の意思決定

 

患者さんの治療方針の決定にはこれまでパターナリズムとインフォームドアプローチというものがありました。パターナリズムは医師が「こうしなさい」というもので、インフォームドアプローチは医学的な情報を十分に説明された上で、判断していただき治療を行う事になります。

当院では「糖尿病」「高脂血症」「高血圧」といった生活習慣病治療の意思決定で、医学的に確実ではない部分についてはSDM(Shared Decision Making:協働する意思決定)で行います。

当然、例えば1型糖尿病の方にインスリン注射が絶対に必要であるといった医学的に確実な事は変更する事はできませんが、「2型糖尿病」「高脂血症」「高血圧」といった生活習慣病の治療方針を決める時には、年齢や体格・人生観・生きがいなどを考慮して、患者さんの人生にとって最良の選択肢となるようにSDMにて治療方針を決定するように努力いたします。

どんな風にするの?そんなには難しくありません。治療の際には、私たちにも協力・協働していただき、ご自分の人生にとって、この病気や治療がどういう存在であり,どういう人生を歩みたいかをしっかりお話しください。私達も患者さんの生きがいや価値観を理解し、その上で話し合って治療方針を決定していきます。

しかし、この場合、患者さんの見解は医学的に最適な治療とは異なる事があるという事もあります。その為に医療者の見解もしっかり聞いていただきたいのです。時に患者さんと医療者は別の考え方であるかもしれませんし、医学的に最良な治療が、患者さんの人生にとって最良の治療とは限らないこともあります。その違いをお互いに理解して、しっかり話し合いながら治療の決定を行っていきましょう。

 

病とその苦しみを乗り越える未来の為に、共に歩む医療を提供し続けたいと思っています。

2019年04月08日